災害は他人事ではない!
皆さんは災害と住まいについて考えたことはありますか?このサイトでは、私の住まい探しや災害ボランティアの経験を通して考えた、災害被害に遭わないための住まいの選び方や、災害に遭ってしまった時の生活についてまとめました。皆さんのお役に立てれば幸いです。
日本で起きる自然災害の中で頻度が最も高いのは土砂災害です。大雨で地盤が緩んで斜面が崩壊して土砂が下へ流れ込むことが多いのですが、地震や雪解けでも起きることがあります。どのパターンでもコンクリートなどで固められていない急斜面で起きますので、土砂災害から住まいを守るためには急斜面から離れた場所を選ぶのが鉄則になります。
最も危険なのは1970年代以降に山林を切り開いて開発された住宅地です。こういった住宅地は元々の土地価格が安いため、敷地の広い一戸建てを手頃な価格で購入できますが、先ほどの説明とは真逆の立地となります。
2014年8月に、広島市の住宅地が大雨による土砂崩れに巻き込まれて、70名以上の住民が亡くなりました。私はその年の11月に現地を訪れましたが、被害を受けた住宅地の多くが山林に近い斜面地にありました。高い山々に囲まれている地域ではなく、広島駅から電車で20分ほど乗り、最寄り駅から徒歩10分前後でアクセスできる利便性の高い場所です。高度経済成長以降、都市部に近い平地の地価が高騰する中で、一般的なサラリーマン家族に一戸建てを購入してもらうために、多くのディベロッパーが駅から徒歩圏内の山林を買い取って住宅開発を進める動きが全国的にありました。
さらに広島市は平地の面積が狭く、他の都市以上に斜面地に住宅地を造らざるをえなかったのです。広島市のように平地が少なく、斜面地に住宅地が広がっている都市は他にもあります。このような都市では、利便性の高い平地に商業施設や生活施設などが集中しているため、平地に一戸建てを購入しようとなると予算的に厳しくなります。その場合、斜面地から住まいを選ぶことになりますが、その中でも比較的安全な場所を探すことが土砂災害から住まいを守るために重要となります。